堺旧市街地

Wikipediaを紐解くと石器時代からその歴史が記されているところの古い都市堺には、古墳を始めとした様々な歴史的遺物があり、空襲で町並みの大半が焼失されたものの、いまでも古い時代を彷彿させる雰囲気を残した一画がある。
山口家住宅は堺区に残る江戸時代初期の町家で、去年の秋に建物の補修と整備が終わって一般公開されたもの。その存在は知りながらもまだ一度も訪れたことがなかったため、ある晴れた休日の午後に思い立って行ってみた。



山口家住宅に至るまでの旧市街地の雰囲気がとてもいい。飴色になった木造住宅や、荘厳な佇まいの寺院が、狭い路地に点在している。さすが戦国時代から江戸時代にかけて商業の港町として栄えに栄えただけあって、お寺は立派な建物が多い。


瓦でできた塀?


鉄砲長屋




路面電車


軒先で鳩に餌をやっているおうちがあるらしく、路上に鳩の大群が。車もそーっと避けて通る、ほのぼのしい風景と思いきや・・・



「!?」


「つっこめー!」 「!!」


「わーははは!」バタバタバタバタバタ…


小学生男子か。



山口家住宅。半年前に整備されただけあって、外も中もとても綺麗になっている。


土間がとても広い。黒光りする立派な梁が天井を貫いていた。木曾で見た屋敷と違って囲炉裏はなく、ガイドさんに聞くと南の地方には囲炉裏がないものらしい。





広めの畳敷きの部屋が連なる室内はなかなか凝ったしつらえもありどの部屋も見ていて飽きなかった。庭に面した座敷から風がするりと入ってきて、畳の上で横になって昼寝したい気持ちよさ。レンズの画角的にも室内のいい写真があまりなかったのが残念だった。


「ほわー!おへやがひろくてきもちがいいのです!」

(突如リリエンタール登場…旅行日記みたいにあちこちで写真に入れたかったのだけどすっかり忘れてた)



「ろうかがひろいですぞ!こにしきがきてもだいじょうぶなのです!」


山口家住宅を後にして、かん袋へ。山口家住宅からはかなり南になるが、自転車があれば余裕。
ほのかに汗ばむ陽気だったので、迷わず氷くるみ餅を。


この緑色のくるみダレ(?)がたまらなくおいしい。

名物にうまいものなしと言うけど氷くるみ餅はガチ。別の日に再訪したら、店の外にびっしりレンタサイクルが並んでたので、かなり遠くから食べにくる人もいる模様。


締めはいつもの堺浜木製灯台で。ちょうど日が落ちきったタイミングで着いたところ、例のおっさんが帰って行くところとすれ違った。今日もいたのかおっさん…鉢合わせせずに済んでほんとよかった。夕日が落ちた木製灯台前は誰もいなくて、心ゆくまで移ろいゆく宵闇を楽しんで帰って来た。



K200D/DA21mmF3.2